トヨタファイナンス株式会社
平成27年度名古屋市子育て支援企業認定:最優秀賞受賞
業種:金融・保険業
事業内容:自動車販売金融事業・クレジットカード事業・コーポレート事業・住宅ローン事業
従業員数:2,055人(うち女性1,110人)※2017年9月末日現在
所在地:名古屋市西区
会社からの応援を力に変えて社会へ、次世代へ循環させていく
トヨタファイナンス株式会社事業金融部で働く蓑島さんは、小学校2年生と3歳のお子さんの母でもあります。「子育てをしながら仕事を続けることは自分の中では自然なことでした。辞めるという選択肢はなかった」と語ります。
蓑島さん。2児の母。
トヨタファイナンスでは経営戦略としてのダイバーシティ推進という理念のもと、2010年から「仕事と家庭の両立支援」の推進を行ってきました。“職場復帰支援プログラムとして、休業前・休業中・復帰後の3ステップの中で、育児休業を取得した社員一人一人がモチベーションを高く持ち、自らの資質を最大限に活かしながら働くことを支えています。(※職場復帰支援プログラムは育児休業に限らず介護等で休業した社員も対象としているプログラムです。)
「私はちょうどそのプログラムが始まったころに第一子の妊娠・出産を迎え、会社から様々な支援を受けることができました」と蓑島さん。とはいえ、職場を長期間離れるというのは初めての体験。不安もありましたが、3か月に1回の面談を通して職場の状況を把握したり、育休中に会社の補助で通信教育を受講して仕事に活きる新たな学びをしたことで、少しずつ解消されていきました。
復帰直後は、お子さんの体調変化などで急に仕事を休まざるを得ないこともありましたが、あらかじめ自分の担当している業務の状況を上司・同僚に共有し、サポートしてもらいやすい状態をつくるように工夫して乗り超えてきました。現在は短時間フレックス制度を活用し、パートナー(夫)と家事・育児も分担しながら、仕事の繁忙に合わせて時には残業もしています。「職場全体として、業務の状況を共有し、優先順位をつけ、相互にアドバイスしあいながら進めていくことのできる環境があるので、とてもやりやすく感謝しています」。トヨタファイナンスでは、この10年で育休取得・時短勤務をする社員は16倍に増えました。現在160名の社員が産休・育休を経て職場復帰しています。蓑島さんも、「同じように育児と仕事を両立している女性たちが増えてきて心強い。お互いに切磋琢磨したり情報交換しています」と語ります。
上のお子さんが小学校に上がり、まだまだ家庭の中での環境変化も大きい中で、昨年は部署の異動も経験し、新しい仕事にもチャレンジしています。これから仕事と家庭を両立したいと考えている女性たちに伝えたいことは?と尋ねると「まずはやってみることだと思います。仕事も同じですが、最初はうまくいかなくても、やっていく中で方法を見出し、少しずつ形になっていくことを私は経験しました。考えすぎるよりも、最初は失敗してもいいから、まずは動いてみることだと思います」と素敵な笑顔で答えてくださいました。
人事部で両立支援の専任担当として、こうした取り組みを牽引してこられた篠原さんによると「両立支援の取り組みは、当社の目指す企業文化、“社員1人ひとりの資質を最大限に活かす”という大きな方針を土台としています。企業が持続的な成長をするためには、だれもが能力を発揮できる職場づくりが欠かせません。優秀な女性たちが活躍できないことは企業にとっても社会にとっても損失だと思います」とのこと。 「何のためにそれをするのか」が明確であり、かつ職場からのボトムアップ型で丁寧に進めてきた取り組みの結果、今、マネージャー層の意識も、女性社員の意識も確実に変化してきているといいます。最近は男性社員の育休取得者も出てきているとのこと。「志の高い女性たちが職場に復帰して活躍している様子を見るのは本当にうれしい」と篠原さん。
人事部の篠原さん(写真左)。
「頑張っている女性たちを心から応援しています」
蓑島さんも「自分が一歩進もうとするときに、いつも篠原さんをはじめとする会社の応援を感じた」と振り返ります。こうした「気持ち」の循環が、母となって働く女性を、職場を、企業を、そして社会を少しずつ変えていくのかもしれません。
(2017年11月22日取材)